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組み込みエンジニアがフリーランスで成功する方法|案件・単価・在宅勤務のリアルを徹底解説

組み込みエンジニアとしての専門性を活かし、フリーランスとして柔軟な働き方や収入アップを目指す人が近年増えています。IoTや車載システム、医療機器など、組み込み技術の需要が広がるなかで、企業側も即戦力となるフリーランス人材を求める傾向が強まっており、案件の選択肢も豊富になりつつあります。一方で「単価や年収はどのくらい?」「在宅で働けるの?」「どんなスキルが求められるの?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

本記事では、組み込みエンジニアがフリーランスとして活躍するために必要な知識を、案件事情・収入相場・在宅勤務の現実など多角的な視点から解説します。

・組み込みエンジニアフリーランスは在宅で働ける?
・組み込みエンジニアフリーランスの仕事内容は?
・組み込みエンジニアフリーランスに必要なスキルは?
・組み込みエンジニアフリーランスの案件単価は?

そのほか、実際の案件例やフリーランスとして働くメリット・デメリットについても解説していくため、フリーランスの組み込みエンジニアに興味関心を持っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

組み込みエンジニアとは?

組み込みエンジニアは、私たちの身の回りにある多くの製品の“中身”を動かすソフトウェアやハードウェアの開発を担っています。近年ではIoTの普及や自動車の高度化、医療機器の電子化に伴い、その活躍フィールドはますます広がっています。フリーランスとして活動するにあたっては、こうした技術や分野の基礎を押さえておくことが不可欠です。

ここでは、まず組み込みエンジニアの仕事の内容や活躍領域、フリーランスとしての需要と将来性について詳しく解説します。

組み込みエンジニアの仕事内容と必要スキル

組み込みエンジニアは、特定のハードウェア上で動作するソフトウェアの設計・開発・検証を担当します。家電、自動車、産業機器など、製品ごとに異なる制約下で動くプログラムを作るため、C/C++といった低レイヤーの言語やリアルタイムOS(RTOS)の知識が求められます。

また、センサーやマイコンとのインターフェース設計、デバッグ力、回路図の読み取りなども重要なスキルです。加えて、製品の仕様に沿った堅牢性や効率性のあるコードを実装する力も問われるため、ソフトとハードの両方を理解する総合的な技術力が必要です。

IoT、車載システム、医療機器などの分野別の活躍状況

組み込みエンジニアの活躍の場は、今や家電だけにとどまらず多岐にわたります。IoT分野ではセンサーデバイスやスマート家電などに組み込まれる制御系プログラムの需要が拡大しており、通信モジュールや電源管理の技術が求められています。車載分野では自動運転支援やEV関連技術の発展により、制御系ECU開発やCAN通信の知識が重要になっていることにも注目です。医療機器では安全性や正確性が特に重視され、ISO規格に準拠したソフトウェア開発やドキュメント管理が必須です。各分野で求められる技術は異なるものの、共通して高い専門性と品質管理能力が求められています。

フリーランスの需要や将来性

近年、組み込みエンジニアをフリーランスとして採用したいという企業のニーズは急増しています。その背景には、IoTやロボティクス、車載関連などの成長分野では慢性的な人材不足が続いており、即戦力の外部エンジニアをプロジェクト単位で確保したい企業が多く存在するからです。フリーランスであれば複数案件を掛け持ちしながら専門性を活かした働き方が可能であり、高単価の案件も珍しくありません。

また、ハードとソフトの両方に強い人材は非常に希少価値が高く、将来的には技術コンサルタントやアーキテクトといったキャリアへの発展も望めます。このことから、市場の成長とともに、フリーランスとしての将来性は非常に明るいといえるでしょう。

組み込みエンジニアフリーランスの案件種類

組み込みエンジニアとしてフリーランスで働く場合、携わる案件の内容は非常に多様です。特に、開発対象のハードウェアやソフトウェアの階層によって、求められる知識や技術も大きく異なります。自分の得意分野やスキルセットを活かせる案件を見極めることが、安定的かつ高単価な仕事に繋がります。

ここでは、組み込みエンジニアフリーランスの代表的な案件の種類を確認しましょう。

ハードウェア開発案件

ハードウェア開発案件では、電子回路の設計や基板レイアウト、マイコン周辺のインターフェース設計など、物理的な製品開発の上流工程に関わる業務が中心です。回路図作成ソフト(OrCAD、EAGLEなど)を使った設計や、各種センサー、通信モジュールとの接続設計、電源回路の検討などが求められます。製品の仕様をもとに、低消費電力化や高信頼性のための工夫が必要となるため、アナログ・デジタルの電気知識は不可欠です。評価・検証業務も含まれることが多く、オシロスコープやロジックアナライザを使った実機検証の経験も評価されます。

ファームウェア・ドライバ開発案件

ファームウェアやデバイスドライバの開発案件は、マイコンやSoC上で直接動作するソフトウェアを対象とした案件で、組み込みエンジニアとして非常に需要が高い分野です。C言語を用いた低レイヤーでのプログラミングが基本で、GPIOやUART、SPI、I2Cなどのハードウェア制御、タイマ処理、割り込み制御などの知識が求められます。

また、センサーデバイスの制御や、OSレス環境での軽量なコード設計のスキルも重要です。ドライバ開発では、チップセットやOSごとの仕様に合わせた設計力やデバッグ能力が必要となり、トラブルシューティング能力が重視されます。

組み込みLinux、RTOSなどの領域別案件

組み込みLinuxやRTOS(リアルタイムOS)を活用した開発案件では、比較的高度で複雑なソフトウェアアーキテクチャを扱うことが多く、中〜上級者向けの案件です。組み込みLinux案件では、デバイスツリーの編集、カーネルモジュールの開発、ビルド環境(Yoctoなど)の構築といった専門的スキルが求められます。RTOS案件では、マルチタスク処理、リアルタイム制御、優先度設計といった特有のプログラミング技術が必要です。いずれも、安定性・応答性・リソース制御が鍵となるため、システム全体の挙動を理解し、効率よく設計・実装する能力が求められます。

組み込みエンジニアフリーランスの単価・年収相場

組み込みエンジニアとしてフリーランスで活動する際、最も気になる要素のひとつが「収入面」ではないでしょうか。フリーランスはスキルや経験に応じて報酬が大きく変動するため、自分の市場価値や案件の相場感を把握しておくことが非常に重要です。

また、会社員との収入比較や、高単価案件を得るための戦略も知っておくことで、より安定したキャリア設計が可能になります。ここでは、単価の目安、会社員との違い、高単価案件を獲得するコツについて解説します。

フリーランスの単価の目安と相場感

組み込みエンジニアのフリーランス案件の単価は、スキルや担当範囲、案件の難易度によって異なりますが、一般的な相場は月40万〜100万円程度が中心です。経験が浅いエンジニアであっても、実務経験が2〜3年あれば月40万〜50万円前後の案件を受けることが可能です。

一方、LinuxやRTOSを扱える、または車載系などの専門性が高い分野に強みを持つエンジニアであれば、月100万円以上の高単価案件に参画することも珍しくありません。また、関東圏や都市部を中心とした案件は比較的高単価傾向があり、フルリモート案件でもスキル次第で同等の報酬を得られるケースも増えています。

会社員との比較

会社員の組み込みエンジニアの年収は、経験や役職によって差はありますが、平均年収は432万円です。対して、フリーランスの場合は年収800万円以上も狙えるほか、スキルや専門性によっては1,000万円を超えるケースも十分に可能です。

ただし、フリーランスは社会保険や税金、営業活動なども自己管理となるため、手取りや安定性の面では差が出ることもあります。また、案件が継続的に得られない場合の収入リスクも考慮が必要です。そのため、収入の上限値だけでなく、自身の働き方やライフスタイルとのバランスを踏まえて選択することが大切です。

高単価案件を獲得するコツ

高単価案件を安定して獲得するためには、技術力だけでなく“営業力”と“信頼構築力”も重要になります。まずは自身の得意分野を明確にし、IoT、車載、医療、画像処理など特定領域の専門性をアピールしましょう。また、テスト工程だけでなく、設計や要件定義など上流工程の経験があると単価交渉もしやすくなります

加えて、ポートフォリオの充実や、継続取引を意識したコミュニケーションも高評価につながります。さらに、複数のフリーランスエージェントを活用し、市場の動向を把握しておくことで、報酬条件の良い案件に出会うチャンスを広げることができるでしょう。

在宅・リモートワークの可能性と現実

テレワークが浸透するなか、組み込みエンジニアの仕事も在宅やリモートで対応できるのか気になる人は多いでしょう。実際には業務内容や開発環境によって、リモート勤務が可能なケースと難しいケースに分かれます

ここでは、組み込み開発における在宅対応の現実や、リモート案件の探し方、そして柔軟な働き方を実現する「ハイブリッド勤務」という選択肢について解説します。

組み込み案件は在宅可能か?

組み込み開発はハードウェアに深く関わる業務が多いため、在宅対応が難しいイメージを持たれがちですが、必ずしもすべてが出社前提というわけではありません。例えば、ファームウェア開発やシミュレータ上での動作検証、組み込みLinuxのアプリケーション開発などは、ローカル環境でも進めやすく、リモート案件として提供されることもあります。

ただし、実機を用いた評価やデバッグが必須な案件では、検証機材の持ち出しが難しいため、出社が求められるケースも多いのが現実です。案件によってリモート対応の可否が大きく異なるため、事前確認が不可欠です。

在宅案件の探し方と注意点

組み込みエンジニア向けの在宅案件を探す際は、フリーランス専門のエージェントを活用するのがおすすめです。案件詳細に「フルリモート可」「週1出社」などの条件が明記されていることも多く、自分の働き方に合った案件を見つけやすくなっています

また、エージェントは企業との条件交渉を代行してくれるため、リモート勤務の可否を事前に調整してもらえることもあります。ただし、通信環境やセキュリティ対策、リモート開発環境の整備など、在宅だからこそ求められる準備も必要です。特に機密情報の取り扱いが厳しい業界では、VPNや専用機器の使用が条件となる場合もあるため事前に環境を整えておきましょう。

ハイブリッド勤務という選択肢

完全な在宅勤務が難しい場合でも、「週1〜2回の出社+リモート作業」といったハイブリッド勤務を採用している案件は増加傾向にあります。ハイブリッド勤務であれば、実機検証や打ち合わせなど必要な場面だけ出社し、それ以外は自宅で作業することが可能です。特に都市部の企業では、柔軟な働き方を導入することで優秀なエンジニアを確保しようとする動きが活発になっており、フリーランスでもこうした働き方を選べる場面が増えています。フルリモートにこだわらず、ハイブリッドという選択肢を視野に入れることで、より多くの案件とマッチする可能性が広がるでしょう。

組み込みエンジニアフリーランスの案件獲得方法

フリーランスとして安定して活動するためには、継続的に案件を獲得できる仕組みを持つことが欠かせません。組み込みエンジニアの場合、専門性が高い分、企業からの需要はあるものの、自ら動いてチャンスをつかむ必要があります。ここでは、組み込みエンジニアフリーランスの案件獲得方法を紹介します。

フリーランス向けエージェントの活用

フリーランス向けエージェントは、希望条件に合った案件を紹介してくれる仲介サービスで、組み込みエンジニアにもおすすめの方法です。特に高単価案件や企業常駐型、週3〜5日の中長期案件が多く揃っており、営業や契約面のフォローも含めてサポートしてくれるため、初めて独立する人にも心強い存在です。

また、専任の担当者が自分のスキルや経歴にマッチした案件を探してくれるため、効率的に案件を獲得できます。報酬の相場感や市場ニーズについても相談できるのが大きなメリットです。多くのエージェントは無料で登録できるため、フリーランスとして活動する人は登録して損はないでしょう。

求人サイトの活用

フリーランス案件を掲載している求人サイトやクラウドソーシングサービスも、案件獲得の手段としておすすめです。特に短期・単発案件や週2〜3日など柔軟な働き方に対応した案件を探す際に役立ちます。自分で応募・交渉を行う必要があるため、エージェントよりも主体的な営業力が求められますが、自由度が高い点が魅力的です。応募前に企業情報や過去のレビューを確認できるサイトも多く、信頼性の高い取引がしやすい傾向にあります。

ただし、人気案件は競争率が高いため、提案文の質やプロフィールの充実が成果に直結します。

SNSや人脈を活用した直接営業

SNSや人脈を通じた直接営業も、フリーランス組み込みエンジニアにとって重要な案件獲得手段のひとつです。LinkedInやX(旧:Twitter)、GitHubなどのプラットフォームに自身のスキルや実績を公開することで、企業や開発担当者から直接声がかかるケースもあります

また、前職の同僚や知人を通じた紹介も安定した案件獲得につながりやすく、信頼関係が築かれているため継続受注の可能性も高まります。自分をブランディングし、日々の情報発信を積み重ねることで、長期的には受け身でも案件が入ってくる「紹介ベースの働き方」を構築することが可能です。

組み込みエンジニアフリーランスの実際の案件例

ここでは、組み込みエンジニアフリーランスの実際の案件例を紹介します。
求められるスキルや経験について確認していきましょう。

【C言語/C++/VC++(組み込み)】ブレーキECU開発

月額報酬~1,000,000円/月
勤務地駒込(東京都)
勤務期間長期案件
稼働率週5日
業務内容・C言語を用いたブレーキECUのダイアグ(故障検出)ソフトウェアの開発
・故障検出ロジックの設計・実装
・各種テスト環境(HILS、ベンチ環境)を用いたテスト実施(CANoe、Canalyzer使用)
求めるスキル・C言語での組込開発の経験・車載ECU開発の経験

【サーバー(Linux系)】ロボット制御開発

月額報酬~1,000,000円/月
勤務地駒込(東京都)
勤務期間長期案件
稼働率週5日
業務内容・ロボット制御システムの要求分析
・基本設計および詳細設計の作成
・C++を使用したアプリケーション開発
・ROS(Robot Operating System)でのシステム構築・開発に関するドキュメントの作成
求めるスキル・ROS(Robot Operating System)
・C++

組み込み機器ソフトウェア開発

月額報酬~700,000円/月
勤務地駒込(東京都)
勤務期間長期案件
稼働率週5日
業務内容BSP、ペリフェラルドライバ、RTOSを意識したアプリケーションの開発を担当。
求めるスキル・C,C++での開発経験
・μITRONなどのRTOSフレームワークに則ったデバイスドライバ開発経験(2年以上)
・μITRONなどRTOSを使用したソフトウェア開発経験(2年以上)

フリーランス組み込みエンジニアのキャリア形成

組み込みエンジニアとしてフリーランスで働くことは、自由度の高い働き方を実現できる一方で、自らキャリアを設計していく必要があります。現場での経験を積むだけでなく、将来的なポジションや専門性を見据えてスキルを磨くことが、継続的な活躍と収入アップにつながります。また、組み込み領域で得た知識を活かして、他分野へキャリアを広げることも可能です。

ここでは、キャリアの広がり方やスキルアップの手段、そして分野を越えた展開について紹介します。

キャリアの広がり方

組み込みエンジニアとしての経験を積むことで、単なる開発担当から上流工程やマネジメント領域へのキャリアアップが可能となります。具体的には、要件定義や仕様策定などのシステム設計工程に関与できるようになるほか、テックリードやプロジェクトマネージャーとしてチームを率いる立場に進むケースもあります。

また、特定分野に強みを持つことで、技術コンサルタントやアーキテクトといったポジションにシフトし、より専門性の高い働き方もできるでしょう。フリーランスであっても案件を通じて役割を広げ、スキルと実績を積むことで多彩なキャリアが築けるのがこの職種の魅力です。

継続的なスキルアップの方法

フリーランスとして長く活躍するには、技術の変化に対応し続けることが不可欠です。定期的に新しいツールや言語、規格を学ぶことで、常に市場で求められるスキルを維持できます。例えば、組み込みLinuxやRTOSの最新バージョン、IoT通信プロトコル(MQTT、BLEなど)、セキュリティ技術への理解は大きな差別化ポイントになります。

また、オンライン講座や資格試験(ETEC、IoT技術検定など)を活用することで体系的な知識を身につけやすくなります。さらに、勉強会やハッカソンなどリアルな交流の場に参加すれば、実践的な情報を得られると同時に人的ネットワークも広がります。

組み込みから他分野への展開

組み込みエンジニアとしてのスキルは、他分野にも応用が利く汎用性の高い技術です。例えば、IoT領域においてはクラウドやモバイルアプリとの連携が重要になっているため、サーバーサイド開発やネットワーク構築の知識が求められます

また、エッジAIや画像処理といった分野でも組み込み技術との融合が進んでおり、PythonやTensorFlowなどのスキルを習得することで新たな市場に進出することが可能です。加えて、プロダクトマネージャーや技術顧問といった非開発系の職種へシフトする人もおり、技術者としてのキャリアにとどまらない選択肢が広がっています

組み込みエンジニアがフリーランスになるメリット・デメリット

組み込みエンジニアとしてフリーランスの道を選ぶことで、働き方や収入、キャリアの可能性に大きな変化が生まれます。

しかし、すべての人にとって理想的な選択肢とは限らず、メリットと同時にリスクも伴います。正社員のような安定とは異なる一方で、自分次第でキャリアを大きく広げられるのがフリーランスの特徴です。ここでは、組み込みエンジニアがフリーランスになることの利点と注意点、そしてこの働き方に向いている人・向いていない人の特徴を解説します。

フリーランスの主なメリット

フリーランスの最大の魅力は、自分の裁量で働く時間や案件を選べる自由度の高さです。特に高い専門性を持つ組み込みエンジニアは、需要が安定しているため、スキル次第で高単価案件に参画でき、年収アップも期待できます。

また、興味のある技術領域やプロジェクトを自分で選べるため、やりがいを感じながら成長できる環境が整います。さらに、働く場所や勤務形態も柔軟に選べることから、ワークライフバランスの向上や、家族との時間を大切にした働き方を実現しやすくなる点もフリーランスならではの大きなメリットです。

フリーランスのデメリットとリスク

フリーランスには自由がある一方で、安定性に欠けるというデメリットもあります。案件の契約期間が終了すれば収入がゼロになるリスクがあり、常に新しい仕事を探し続ける必要があります。

また、会社員のような社会保険や福利厚生がなく、確定申告や保険手続き、営業活動など、すべてを自身で管理しなければなりません。特に体調不良や事故などで働けなくなった場合の収入リスクは高く、備えが必要です。

さらに、ひとりで業務を完結することが多いため、孤独を感じる場面も少なくありません。こうしたリスクを理解したうえで、適切な準備と対策を講じることが重要です。

向いている人・向いていない人の特徴

フリーランスに向いているのは、自主的に行動できる人、自己管理が得意な人、そして常にスキルを磨こうとする意欲のある人です。特に組み込み分野では技術の進化が早いため、変化に柔軟に対応できる姿勢が求められます。

一方、指示待ち型のスタイルで仕事を進める人や、安定志向が強い人、収入の浮き沈みに不安を感じやすい人は、フリーランスにストレスを感じやすい傾向があります。また、営業や人脈作りが苦手な場合は、案件獲得に苦労することも。自身の性格や志向を見極めたうえで、フリーランスという働き方が本当に合っているかを検討することが大切です。

組み込みエンジニアフリーランスとして独立するためのステップ

IoTや車載システムの需要増により、組み込みエンジニアはフリーランスとしても高いニーズがあります。しかし、会社員と異なり、案件の獲得や収入の管理、スキルアップを自ら行わなければならず、準備不足のまま独立すると安定したキャリア構築が難しくなります。ここでは、組み込みエンジニアがフリーランスとして独立するための一般的なステップを確認しましょう。

フリーランスになるまでの準備

組み込みエンジニアとして独立を目指すには、まずは自分の得意分野や経験を明確にし、企業にアピールできるポートフォリオや職務経歴書を整えることが大切です。また、C言語、C++、RTOS、マイコン制御などのスキルを磨き、特定分野での専門性を持つことも信頼獲得につながります。案件探しの手段としては、フリーランス向けエージェントや技術系クラウドソーシングの活用がおすすめです。

さらに、確定申告の知識や、個人事業主としての手続き、開業届の提出など、事務面の準備も忘れずに進めましょう。

会社員との並行(副業)で始める方法

いきなり独立するのが不安な場合は、会社員としての本業を続けながら副業としてフリーランス業務を始めるのが安全です。週末や就業後の時間を使い、小規模な組み込み案件に携わることで、案件対応の流れや納期管理の感覚を身につけられます。副業を通じて実績ができれば、クライアントから継続依頼を受けやすくなり、独立後のベース収入にもつながります。会社の副業規定を確認した上で、無理のない範囲で活動をスタートし、自信と経験を蓄えていきましょう。

独立後の働き方・収入の安定化

フリーランスとして独立すると、案件の選択や働く場所の自由度は高まりますが、収入や案件の安定性は自分次第です。収入を安定させるためには、長期契約のクライアントを複数確保することがおすすめです。

さらに、得意分野に特化したサービスを展開することで、高単価案件を受注できる可能性が高まります。また、スキルアップを継続し、業界の動向に敏感であることも重要です。エージェント経由の案件紹介や、リピート顧客の維持、定期的な営業活動を組み合わせながら、計画的にキャリアを構築していきましょう。

組み込みエンジニアフリーランスに関するよくある質問

組み込みエンジニアとしてフリーランスを目指す際には、未経験でも可能か、どのような資格が有利なのか、在宅での働き方は現実的かなど、さまざまな疑問が浮かぶものです。企業常駐のイメージが強い組み込み開発ですが、技術や働き方の多様化により、フリーランスという選択肢も徐々に広がりつつあります。

ここでは、組み込みエンジニアフリーランスに関するよくある質問についてQ&A形式で解説します。

未経験からでも挑戦できる?

組み込みエンジニアとしてフリーランスを目指す場合、未経験からの独立は基本的に難易度が高めです。理由としては、組み込み開発では実機検証やハードウェアとの連携が不可欠であり、一定の開発経験や知識が求められるからです。そのため、まずは企業に就職して数年程度の実務経験を積み、C言語やRTOS、デバッグツールの扱いに慣れておく必要があります。経験が浅い人は、まずは副業として小さな案件をこなし、徐々にフリーランスへの土台を築くというステップもおすすめです。実績と信頼を重ねることで、未経験からでも段階的にフリーランスを目指す道は開けます。

おすすめの資格はある?

組み込みエンジニアとしてフリーランスで活躍するために必須の資格はありませんが、資格を取得しておくことでクライアントからの信頼性向上やスキルの証明として役立てられます。代表的なものとしては「組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)」や、C言語の理解を深める「C言語プログラミング能力認定試験」などがあります。

また、IPAの「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」も基礎的なITスキルの証明として有効です。資格自体よりも、ポートフォリオや実績の方が重視される傾向にはありますが、学習の過程で得られる体系的な知識やスキルは、実務に直結するメリットがあります。

組み込みエンジニアは在宅ワークが難しい?

組み込みエンジニアの業務はハードウェアとの連携や実機での検証作業が多いため、他のIT職種と比べて在宅ワークはやや難易度が高い傾向にあります。特に製品開発に深く関わる案件では、開発機材の持ち出しが制限されたり、セキュリティ上の理由からクライアント先での作業が求められることが少なくありません。

ただし、ソフトウェア部分のみをリモートで担当するケースや、開発キットを自宅に送付して対応可能な案件も徐々に増えつつあります。完全在宅を希望する場合は、案件選びの段階でリモート可の条件を明記し、エージェントなどを通じて交渉するのが現実的なアプローチです。

まとめ

この記事では、組み込みエンジニアフリーランスの仕事内容や実際の案件例、案件の獲得方法について解説しました

・組み込みエンジニアフリーランスの仕事内容
・組み込みエンジニアフリーランスの年収・単価相場
・組み込みエンジニアフリーランスの実際の案件例
・組み込みエンジニアフリーランスの在宅案件事情

組み込みエンジニアとしてフリーランスで成功するには、専門スキルの深掘りと実務経験の積み重ねが欠かせません。単価相場は高めですが、安定収入を得るには継続案件の確保や信頼構築が重要です。在宅勤務は難易度が高いものの、ソフトウェア中心の案件を選べば可能性は広がります。案件獲得にはエージェントや人脈の活用が効果的です。

本記事でも解説したように事前準備をしっかり行い、自分に合った働き方を選択して、着実にフリーランスとしてのキャリアを築いていきましょう。

引用・参考URL

参考:ランサーズ公式サイト
参考:クラウドワークス公式サイト
参考:国税庁 | 平均給与
参考:FLEXY | 組み込みエンジニアの年収は相場よりも低い?年収1000万円いく可能性も紹介
参考:レバテックキャリア | 組込・制御エンジニアの平均年収・給料の統計
参考:Midworks公式サイト | 【C言語/C++/VC++(組み込み)】ブレーキECU開発
参考:Midworks公式サイト | 【サーバー(Linux系)】ロボット制御開発
参考:Midworks公式サイト | 組み込み機器ソフトウェア開発

この記事の修者

中村 慎也 (アークワードコンサルティング 代表)

大学卒業後、シスコシステムズにてパートナー企業開発や金融業界向けコンサルティングセールスに従事。その後、人材業界大手のインテリジェンス(現パーソルキャリア)でIT業界向け人材紹介や転職サイト「doda」の立ち上げを経験。ヘッドハンティングでWeb系スタートアップの取締役を歴任した後、2018年にアークワードコンサルティングを創業。IT/Webと人材領域の知見を活かし、Web戦略から施策実行・継続改善まで総合的に支援。フリーランスや副業など多様な人材活用分野で10年以上のマーケティング支援実績を持つ。

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